今日の役に立たない一言 - Today’s Trifle! -

古い記事ではさまざまなテーマを書いていますが、2007年以降はプログラミング関連の話がほとんどです。

速度超過で遠心力4倍

吉本堅一・防衛大教授(車両工学)が軌道の傾斜なども含めて計算したところ、このカーブを時速70キロで通過した場合の車両1両当たりの遠心力は約1・5トンなのに対し、時速100キロでは約6トンと4倍になる。事故当時はほぼ満員状態で、乗客の重量を入れると実際の遠心力はさらに強かった可能性が高い。

そうそう。遠心力は速度の二乗に比例するのだ。質量 m の物体が半径 r の円上を速度 v で定常運動する時の遠心力 F は、
F=mv2/r
で表される。
通常の4倍の遠心力が乗客にかかれば、乗客は外側に振り飛ばされそうになる。そのとき、乗客はどう反応するかを考えてみる。
座っている人は体が外側に振られるくらいか。でも、重心位置は今までよりもカーブの外側に移動する。立っている人は一歩か二歩カーブの外側に踏み出して体を支える。吊革につかまっていれば、体重の多くは吊革に頼ることになるため、その人の重心は通常よりもずっと高い位置に移動する。カーブで横Gがかかると、右側の絵で示したように重心の位置が移動する。(赤い点が重心)

重心がより高い位置に移動して外側車輪にも近づくので、直線走行の時に比べると、より少ない力で車両を横倒しにすることが可能になる。
乗客がいない状態では重心が移動することがないけど、乗客がいる場合はカーブで横Gがかかるとカーブの外側のより高い位置に重心が移動し、より横転しやすい状況が発生する。だから、乗客がいない前提でのシミュレーションはまったく意味を持たない。
ちょっとぐぐってみたらこんな記事が。

JR西日本脱線事故直後、非現実的な前提条件をもとに「現場カーブの危険速度は時速133キロ以上」と発表していた問題で、同社は29日、乗客をゼロとして計算していた「机上の空論」だった事実を認めた。

やっぱり。。。この前の日記で書いたとおりだよ。

兵庫県尼崎市のJR福知山線で25日朝、快速電車が脱線した事故で、マンション駐車場に突っ込み、大破した1両目はモーターのないトレーラー車で、モーター車の2、3両目より重心が高い構造だったことが30日、わかった。

つまり先頭車両は乗客がいない状態でも他の車両より脱線しやすいわけだ。そして、そのような車両が本当に安全なのか確認できてないまま運行されている。
この事故の原因は過密なダイヤにもあるといわれている。運転再開する前にダイヤ見直しをしないと、また同じ事故を起こしかねない。