今日の役に立たない一言 - Today’s Trifle! -

古い記事ではさまざまなテーマを書いていますが、2007年以降はプログラミング関連の話がほとんどです。

IT技術者の資格義務付け

最近は、IT技術者の資格の義務付けが必要じゃないかと思うようになってきた。それも強制力が必要だと思う。
たしかに、どこで合格か失格かの線を引けばいいかってのは非常に難しい問題なんだけど、コンピュータやネットワークなどに関する基本的な知識を持ち合わせていないIT技術者もどきが、そこらじゅうにのさばっている現状は耐えがたいものがある。
試験の内容は現状のソフトウェア技術者関連の試験でもかまわない。例えば、システム開発のプロジェクトがあった場合、システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査などの資格所有者をプロジェクトの要員として必ず割り当てなければならないよう法律で義務付けるのがよいと思う。
現状ではこういう情報処理技術者試験に合格しても、経験が伴ってないとだめだとか批判されがちだが、試験に合格するだけの知識を持ち合わせているということは十分に評価できる。経験を積んでも知識を持たない人よりは、経験が少なくても知識を持っていることの方が重要になっているはずだ。
例えば、個人情報を扱うシステムを開発するプロジェクトでは、情報セキュリティアドミニストレータを要員に含めるだけで、プロダクトの品質がかなり変わるだろう。見積段階や要件定義のレベルで知識を持つ人が参加することによって、システムに求められるセキュリティ的な要件のうち、どれを満たす必要があり、どれはやらなくてかまわないといった一歩踏み込んだ要件定義ができるはずだ。要件定義が明確になればなるほど見積もりの精度も高くなり、システム構築に必要なコストや、システム構築時や運用時に発生し得るリスクも見えやすくなってくる。
これをやらないと、発注側に対して「全部やってあたりまえでしょ」という理屈で、表面化しなかった要件をねじこまれることになる。いわゆる「デスマ」になる可能性が高くなってしまう弊害もある。
もちろん、資格を持っているからといって完全なシステムを作るのは至難の技であることには変わりないが、知識を持つ人がプロジェクトに参加することで、システム品質の底上げは期待できるのではないだろうか。
今のIT業界の現状は、医師の資格を持たない人に、処方箋を出してもらったり手術を頼んだりしているのと同じような状況にある。
システム開発は広範かつ高度な専門知識を必要としている。少なくともシステム開発の責任者レベルに対しては、法律による義務付けがあってもまったく不思議ではない。