今日の役に立たない一言 - Today’s Trifle! -

古い記事ではさまざまなテーマを書いていますが、2007年以降はプログラミング関連の話がほとんどです。

資格

id:m_pixy さんからかなり昔の日記に言及された。この話って、普遍的な話なので、蒸し返されるのは大歓迎だし、あちこちでもっと議論されてもいいんじゃないかと思う。
で、id:m_pixy さんの日記で紹介されているページを見てみた。

建築士とは建築士法で定めれた資格で、一定の規模以上の建築物を設計、工事監理するのに必要不可欠な資格である。建築士法では建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格と記述されている。

建築士の定義を初めて目にした。設計と工事管理を行う資格で、建物の規模によって一級・二級・木造と分かれているとのこと。

建築士の資格制度の現状に対してもいろいろ批判や改善要求が出されている。例えば建築士による設計業務独占を問題視する意見がある。設計業務そのものは資格の有無にかかわらず実力やそれなりの実務経験があれば支障なく遂行できる仕事であるが、資格(肩書き)にとらわれるあまり実務能力のある者が「無資格者」を理由に疎外されている弊害が現に存在する。「資格」すなわち職能の証明にならないことは他の資格制度でも指摘できる問題でもある。

確かにそれはもっともな話。そうならないようにするためには、それなりに実力がある人は容易に資格を取得できるようにしておくことが大切じゃないかと思う。
資格なしだといろんな意味で多数の被害者がでる可能性が高いといえる(今のIT業界がその状態に陥っているんだろう)。それに対して、業務の行使を有資格者だけに制限すると、実務能力がある無資格者が阻害されることと、レベルが低い有資格者にあたった顧客が被害を被ることが考えられる。レベルが低くても、有資格者は最低限の知識を身に付けているので、技術的にはかなり底上げされていることは期待できる。
そこで、建築の話をIT業界に置き換えてみたらどうだろう。まず資格を定義するにあたって最初にぶつかる壁は、ITシステムの規模を定義するところだろう。システムの規模を計るのが難しいことはここで述べるまでもない。しかし、以前の以前の日記でも述べたが、別の観点(例えば、プロジェクトマネージャ資格所有者はプロジェクトに必ず割り当てるとか、個人情報を扱うプロジェクトでは情報セキュリティアドミニストレータ資格所有者を割り当てるとか)で有資格者を割り当てることを義務付けるのは可能だ。
さらには、建築においての建築士には、工事管理の役割も与えられている。これも現状のIT業界には完全に欠落している。

工事監理とは設計図通りに工事が問題なく進行し完了することを確認し必要に応じて検査記録する業務である。

工事管理とはなんだろう?ちとぐぐってみた。

建築士法第二条−6
「工事監理」とは,その者の責任において,工事を設計図書と照合し,それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。

ここでいう設計図書には、建築士の記名・捺印が法律で定められているからこそ、「その者の責任において…確認することをいう。」が生きてくる。つまり工事管理とは工程管理とはまったく別の問題であり、作られているものが顧客の要望通りであることを保障することを目的としているようだ。
あーあ、やっぱIT業界ってダメダメじゃん。ITシステムは、建築物のように目には見えないけど世の中を支えていることには変わりない。やっぱ法律で制限すべきだよなぁ。。