今日の役に立たない一言 - Today’s Trifle! -

古い記事ではさまざまなテーマを書いていますが、2007年以降はプログラミング関連の話がほとんどです。

アジャイルと規律 〜ソフトウエア開発を成功させる2つの鍵のバランス〜

この本はお勧め。
ソフトウェアプロジェクトに合わせて、アジャイルと計画駆動をうまーく組み合わせようってのがこの本の主題。
まずはアジャイルと計画駆動の分析をしている。アジャイルと計画駆動と分類されているが、実質は「暗黙知ドリブン」と「形式知ドリブン」と読み替えた方が分かりやすいかもしれない。アジャイルと計画駆動が適しているプロジェクト(ホームグラウンドと呼んでいる)のタイプを分析している。
その上で、実際のプロジェクトを大雑把に「人(のスキル)」「変化の度合い」「文化」「規模」「重要度」の5つで分析して、アジャイルと計画駆動のどちらをベースに進めるべきかを示唆してくれる。
また、それぞれのプロセスでの弱い点を考察し、どのようなリスクがあるのか、リスクを軽減するにはどのようなアプローチを取るべきなのか、を考察する。
つまり、ソフトウェアプロジェクトのプロパティに合わせて、アジャイルと計画駆動のいいとこ取りをしようという画期的な本だと言える。
ウォーターフォールプロセスが前提となっている会社ではどのようにアジャイルを導入していけばいいのか、も示唆してくれている。
アジャイルだ、XPだ、SCRUMだとか世間が騒いでいるけど、それぞれのソフトウェアプロセスがどのような特徴があり、欠点があるのか理解している人は少ないだろう。しかし、この本では、付録で30ページ以上を割いて、アジャイルからCMMやCRまで含めた13種のソフトウェアプロセスを比較している。