今日の役に立たない一言 - Today’s Trifle! -

古い記事ではさまざまなテーマを書いていますが、2007年以降はプログラミング関連の話がほとんどです。

風船の科学

昨日、子供を歯医者に連れて行った。この歯医者では、上手に治療ができるとご褒美に風船をくれるようだ。
リビングで天井にはりついている風船を見て、「明日の朝には浮かずに床に落ちてるんだろうな」と思ったとき、ふと思いついた。
風船はみっつ。そのうちのひとつをスーパーの買い物袋につつみ、口を結んでおいた。
風船の中にはヘリウムが入っている。ヘリウムは原子ひとつなので、普通の空気中の分子よりもずっと小さいのだ。だから、風船の口を結んでも隙間からどんどん抜けていく。ふくらんだ風船のゴムは、ヘリウムにとっては粗い網のようなものかもしれない。だとすると、口からだけではなく全体から抜けていくのかもしれない。
もし風船をヘリウムガスの中に置いたとしたらどうなるか。風船のゴムの網目を抜けて出て行くヘリウム原子もあるが、逆に風船の中に入り込んでいく原子だっているかもしれない。そういう条件を作るため、スーパーの買い物袋に入れ、口を結んだ。買い物袋の内側(かつ風船の外側)の大半は最初は窒素と酸素の分子だが、風船からヘリウムが抜けるにつれヘリウム濃度が上がる。こうなれば、ヘリウム原子が風船内に押し込まれる環境ができる。
今朝のリビングで実験の結果を見た。袋に入れていなかった二つの風船は、床に落ちてきていた。スーパーの袋はその重さもあるので床に落ちている。が、袋をあけて取り出した風船は、勢いよく天井まで上がっていった。
簡単に実験できるのでぜひお試しあれ!