今日の役に立たない一言 - Today’s Trifle! -

古い記事ではさまざまなテーマを書いていますが、2007年以降はプログラミング関連の話がほとんどです。

ソフトウェア職人気質

satoshis2005-04-15

ここ数日間であちこちで盛り上がっている(?)使えないプログラマについての話題を読んでいて思い出したのがこの本。この本が邦訳されてからもう3年にもなるのね。当時はかなり話題になった本。
ソフトウェア職人になるには、まずは熟練職人に弟子入りし、基礎を磨いて一般職人になり、さらに磨いて熟練職人に成長するというメタファで捉えている。
そういう観点からすると、先日書いた一山いくらのプログラマの使い方ってのは当たっているんじゃなかろうか。職人が弟子を育てるときは、技術の基礎となる単純作業をひたすらやらせる。きちんとできるまでやらせる。完璧にしかも妥当な時間内で完了できるようになれば、次の基礎となる単純作業を与える。やる気がない奴はそこで脱落していく。職人の世界ではそのようにして育てることが多いと認識している。
結局は、やる気がある人を育てるしかないのよね。でも育てるコストってのは投資なわけだ。だから、育てるんなら育つことが期待できる人を選りすぐって育てないと、その投資が無駄になる。無駄を抑えるための長年の経験は、職人の世界での人の育て方に現れているんだろう。
ちなみに、この本では資格制度を否定してたりする。でも個人的には資格制度はあった方が良いと思う。世の中はソフトウェア工学に基づいた開発が蔓延していて、容易には変化しない状況にある。大きな変化を起こすには劇薬が必要な場合もある。最低限の底上げをするためには、特にお上からのお達しを尊重する日本的な文化の下では劇薬を与えた方がいいんじゃないかと思う。

ソフトウェア職人気質